GitHub アウトプットグラフの活用方法を説明いたします。
GitHub アウトプットグラフとは?
・GitHub の連携設定を行うことで使用できます。
・連携した GitHub リポジトリのログを取得して、開発組織の状況をグラフで可視化した機能です。
・活用することで、開発組織の課題を把握できるので、改善に向けた検討を進められます。
目次
GitHub アウトプットグラフとは
Offers MGR にGitHubを連携すると、取得したログを集計し下図のようなグラフを表示できます。
※ PR :Pull Request(プル・リクエスト)
Githubの連携設定方法は、こちらのページをご確認ください。
GitHub アウトプットグラフの特長
GitHub の取得ログ(アクション)を可視化することのメリットは次のとおりです。
- 開発組織の現状を把握できる
- 開発組織の傾向分析ができる(今後の成果予測)
これらができることにより、開発組織の課題が見つかり、組織作りの改善に活用できます。
グラフから得られるインサイト
GitHub アウトプットグラフからどのようなインサイトが得られるか解説します。
ケース1
※2022年10月途中のデータであるため、2022年5月〜9月を対象にインサイトを探ります。
グラフから得られる情報
- コミット作成
- 各月で大きなバラつきはない
- PR作成
- コミット量の10〜16%で各月で大きなバラつきはない
- PRコメント作成
- 2022年07月以降、PR作成量に対して増加傾向
- PRマージ
- 2022年07月以降、減少傾向
推察
- フィードバック数の増加
- 設計品質や実装品質の低下(悪い点)
- レビュアーの質の向上(良い点)
- PRマージ量の減少(≒リリース数の減少)
- 生産性の低下
課題(推察)
- 設計品質の向上
- 実装品質の向上
- リリース数の向上(生産スピードの向上)
改善策
- 開発組織体制の改善
- シニアクラスのエンジニアが不足していないか?
- 実装者がジュニア〜ミドルクラスに偏っていないか?
- ワークフローの改善
- 実装者に実装背景が伝わっているか?
- 設計レビューを実施できているか?
- PM/PdMの業務改善
- 進捗管理できているか?
- 優先度に誤りがないか?
- 設計者および実装者に開発要件が正しく伝わっているか?
ケース2
※2022年10月途中のデータであるため、2022年5月〜9月を対象にインサイトを探ります。
グラフから得られる情報
- コミット作成
- コミットが多い月、少ない月、多少のバラつきがある
- PR作成
- コミット量の11〜16%で各月で大きなバラつきはない
- PRコメント作成
- 2022年09月はPR作成量の4倍(そのほかの月は4倍未満)
- PR作成量に比例して減少しているわけではなさそう
- 2022年09月はPR作成量の4倍(そのほかの月は4倍未満)
- PRマージ
- 2022年08月以降はPR作成量より少ない
推察
- フィードバック数の増加
- 設計品質や実装品質の低下(悪い点)
- レビュアーの質の向上(良い点)
- PRマージ量の減少(≒リリース数の減少)
- レビュアー人員が不足している可能性
課題(推察)
- 設計品質の向上
- 実装品質の向上
- レビュアーの増員 or レビュアーのレビューに割く時間の確保
改善策
- 開発組織体制の改善
- シニアクラスのエンジニアの業務負荷が高くないか?
- 上流工程、レビュー、オンボーディング等、多岐に渡るタスクを抱えている可能性がないか
- シニアクラスのエンジニアが不足していないか?
- 実装者がジュニア〜ミドルクラスに偏っていないか?
- シニアクラスのエンジニアの業務負荷が高くないか?
- ワークフローの改善
- 実装者に実装背景が伝わっているか?
- 設計レビューを実施できているか?
- PM/PdMの改善
- 進捗管理できているか?
- 優先度に誤りがないか?
- 設計者および実装者に開発要件が正しく伝わっているか?
ケース3
※2022年10月途中のデータであるため、2022年5月〜9月を対象にインサイトを探ります。
グラフから得られる情報
- コミット作成
- 2022年07月をピークに減少傾向
- PR作成
- コミット量の30〜40%程度で推移
- コミット作成量同様、2022年07月をピークに減少傾向
- PRコメント作成
- 2022年08月までは0件、2022年09月は3件
- PRマージ
- PR作成量と同値の月がある
推察
- 追加・変更したファイル数の減少
- 課題数の減少(Issueやタスク数の減少)
- フィードバック数が皆無に等しい
- ワークフローが無い or 浸透していない
- PR作成量≒PRマージ量のため、レビュー体制がない可能性
- レビュアー人員の不足
- ワークフローが無い or 浸透していない
課題(推察)
- 課題出しの改善
- ワークフローの改善
- 組織体制の改善(レビュアーの増員)
改善策
- 課題出しの改善
- プロダクトの課題を定期的に整理できているか?
- ワークフローの改善
- 属人的なワークフローになっていないか?
- ワークフローは定義されているか?
- レビューを実施する文化の構築、浸透させる仕組みは整っているか?
- 組織体制の改善
- PM/PdM等のプロダクト課題を整理する人員は不足していないか?
- レビュアーの増員
インサイトを探るコツ
GitHub アウトプットグラフからの情報だけだと主観的な推察となってしまうので、直近の組織における動き(事実)も考慮することで、課題が把握しやすくなります。
組織における動き(一例)
- 開発組織体制の変更
- 開発人員の増減
- 開発フェーズの変化
- ワークフローの変更
- 開発組織内の取り組み・仕組みの変化
インサイトを活用して次のアクションへ
GitHub アウトプットグラフからインサイトを得ることができますが、状況や課題を把握することで満足してはいけません。必ず改善につなげるように心がけましょう。
あらかじめ、次のことを決めておくと改善検討しやすくなります。
- GitHub アウトプットグラフを分析する担当者(開発組織の管理者、PM/PdM等)
- GitHub アウトプットグラフの分析頻度(月1回目処)
- 分析結果の共有先、共有方法
課題は、開発の組織体制・役割分担、仕組みによるものが多いので、改善策はチーム・グループ組織の部門長、人事部門とのコミュニケーションが必然的に多くなります。
次のアクションを取りやすくするためには、コミュニケーションパスの構築が重要になります。
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