副業メンバーに依頼する仕事内容の事例
主にタスク型、プロジェクト型、コミットメント型の3つがあります。それぞれの具体例を見ていきましょう。
タスク型
具体的に仕様が決まっており、手を動かすリソースが足りない場合にピッタリなのがこのタスク型です。「緊急度は低いが、重要度が高いタスク」を通常の開発ライン・リソースとは別に並列でお願いするとリターンが大きいでしょう。
はじめて副業に依頼する場合には、このドメイン知識不要なタスク型がおすすめ。普段からBacklogを書き溜めることで依頼はスムーズになります。
タスク型の具体例
仕事内容はエンジニア・デザイナーによって主に以下のようなタスクが想定されます。またスキル・経験に応じて、いわゆる顧問やCXO業務もタスク型に含まれていきます。
- 新サービス/新規事業における市場調査
- 新規機能開発
- アーキテクチャの設計やフィードバック
- 開発定例に参加し、ファシリテート
- データ分析基盤構築・毎週のデータ分析
- ユーザーテスト構築と実施、UXの調査
- バナー・アイキャッチ、LPデザイン
- サイト、アプリ、サービスの仕様書作成
- ワイヤーフレーム・構成作成
- クライアント、ユーザー対応
プロジェクト型
タスク型の延長にあるのがこのプロジェクト型です。1ヶ月〜数年に渡って細かいタスクが積み上がった仕事など、予めやることが決まっており且つ継続的に依頼したい場合におすすめです。
プロジェクト型の具体例
- 新規サービス/サイト/アプリの立ち上げ
- 要件定義、仕様策定、ワイヤーフレーム作成
- ユーザーヒアリング・ユーザーインタビュー
- プロジェクト全体が長くなるもの
- デザイン、コーディング
- フロントエンド 、サーバーサイド、インフラ
- devops
- コーポレート系ワークフロー改善
コミットメント型
課題ベースで依頼するのがコミットメント型。やりたいことはあり、その実現に向けて設計から考えてもらうことが特徴です。時間が読みにくい一方で、レバレッジがかかりやすく会社・組織全体に関わるものはコミットメント型として依頼するとよいでしょう。
コミットメント型の具体例
- 新規機能の企画
- プロダクトの課題解決
- 技術組織・採用・教育・評価制度構築での壁打ち
契約書の進め方
基本は稼働時間ごとの時給契約
毎月固定での稼働契約にすると、ワーカーの本業との時間バランスが想定よりも異なってしまったり、初月のオンボーディング時の確認時間などで仮に時間がかかってしまった場合、フェアバリューのバランスが保てなくなります。まずは様子を見るという意味でも、時給契約がおすすめです。
請負契約と準委任契約
明確に成果物が決まっているタスク型の場合であれば請負契約、元同僚などスキルや人物面をよく知っている場合は、その後の継続も考えて準委任契約でもよいでしょう。具体的な条件を事前によく協議しておくことが重要です。
契約書・請求書の作り方
累計270名程度の副業メンバーと事業を作ってきた株式会社overflowではfreee api、クラウドサイン、独自請求書作成フォーム、Google App Script+スプレッドシートを駆使し、ほぼ全部の契約書・請求書作成を自動化しています。
多くの業務委託契約書を作成しなければならず、スタートアップながら毎月の作成・請求書が100を超えることも。その結果、誰でも簡単に作成・管理ができるようになりました。
▼参考記事
2年間正社員ゼロ。150人の副業社員で会社・事業を運営している話
https://note.com/suzukiyuto/n/nf38ed60fa49b
こちらのGoogle Formから連絡すると、他社の管理状態などについてまとめたoverflow社独自アンケート調査を公開いたします。
オンボーディング
オンボーディングを行うメリットとして、
- この人は誰だろう、どういう背景で入社したんだろう
- どういうポジションなんだろう
- 何にコミットメントしていて、何が得意なんだろう
という疑問が、横への興味がなくなってしまい・見えなくなってしまい、「良いコラボレーションが起きなくなってしまう問題」を引き起こす危険性があります。
そこでこの問題をクリアにするため、overflowでは全員が閲覧できるオンボーディングドキュメントを用意しています。
フレキシブル経営(雇用形態にとらわれない正社員・副業・フリーランスのメンバーでの経営)をする中で、秘伝のタレ的に継ぎ足されたり、削除されたりしています。
誰が何をやっていて(仕事で関わっていること、特技)、どういう人なのか(経歴、性格、好きなこと、趣味、特技)も以下のように可視化しています。
副業人材のマネジメントポイント
信頼をベースにマイクロマネジメントしない
副業人材は他社でも活躍しており、自律したセルフマネジメントができる人材です。面談でもその思考は確認する必要がありますが、Offersに登録しているワーカーはハイスキル人材が多い傾向があります。
そのため、限られた時間で稼働していただく副業人材に対してセルフマネジメントを行うことは自社の管理工数も増し、副業人材側にとってもタイムマネジメントの弊害を引き起こしてしまいます。そのため性善説を前提として業務を依頼することが重要です。
仕事依頼の準備の期待値調整
もちろん、「これお願いします!」といきなり依頼するのも時期尚早。まずは以下のように事前にお互いに確認し合うことが大事となります。
- プロジェクトが始まる前に成果物を明確にする
- 稼働時間と想定されるアウトプットを事前にすり合わせる
- AsIs/ ToBeを伝え、自走できるかを判断
- 依頼するタスク以外のドメイン知識(周辺仕様や現構成など)も前提として共有
- 契約締結前であれば、簡易的なNDAを結ぶ
- NDA締結後、JIRA, Notion, Githubなどを共有
- 開発環境整備時に、つまづきなどあればドキュメントとして記録してもらうように依頼する
- 環境依存の問題や、ライブラリのversion失効などあればここで吸収
コミュニケーションのやり方
副業人材を活用する多くの企業では、リモートワーク を前提とした「非同期コミュニケーション」を徹底しています。基本はSlackのみで、JIRA/notionなどのドキュメントをベースにしたコミュニケーションを行っています。
稼働が少なければ稼働報告は不要とし、事前にすり合わせた成果物と進捗を基準に判断しています。自社にとってどんな進め方が良いか事前にしっかりと設計していきましょう。
人材活用問題あるあると解決策
タスクの疎結合難しい問題
副業の方の稼働時間やスキル・モチベーションを判断しタスクを依頼する必要がありますが、PM/PdM/ディレクター/CTO/VPoE/CCO/CDO/現場のエンジニア・デザイナーが以下について考える必要があるため、この辺り取り組むリソースがなければ難しいでしょう。
- 副業の方の稼働時間・スキル・モチベーションを判断しタスクを依頼
- タスクにかかる時間の見積もり
- タスクにかかる費用の見積もり
- 他タスクとの進捗の兼ね合い
- 本業とのタスクの兼ね合い
- 新規タスクを別で作成する
- 副業、フリーランスに対するモチベーションの判断
解決策
ひとつの解決策として、副業でPMの方にジョインしてもらう手もあります。そうすることで
新規タスク、構成作成、などディレクションをお願いできる利点も生まれていきます。
その他、overfloeでは定期的に副業メンバーを入れることでタスクを棚卸し、
- チケットの記述ルールを開発メンバーで徹底する
- 全てのルールをドキュメントに残しておくこと
などを行なっております。
リモート組織2.0、副業人材の有効活用を
副業という働き方自体が新しく、企業側の受け入れ体制の作り方、そして副業に対しての考え方・採用やオンボーディングの考え方・利用ツールなどのインフラ環境・コミュニケーションのあり方など変えていかなければいけないフェーズです。
Offersを運営するoverflowでは高速に自社組織で実験・検証し、新サービスに対して価値を転化していきたいと思います。overflowが考える「リモート組織2.0」の考えや、それに向けたチェックリストを無料公開しているので、ぜひご覧になってください。
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